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空の記憶~あなたと私と彼、それから~
第12章 第四話【縁~えにし~】 白き波の向こうに  
 初めて浩三のキスを受けた夜のことを随分と昔のように思う。幸は浩三を見上げて、あの日のように「はい」と微笑んで頷いた。
 浩三の顔が近づき、その唇がそっと幸の唇に触れる。それは、一瞬幸の唇をかすめただけの、軽い接吻だった。
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