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空の記憶~あなたと私と彼、それから~
第3章 第一話【空の記憶】~邂逅~ 
 板の間には、大きな囲炉裏がある。板の間から続く土間には大きな網が無造作に放り出されていた。それは、どうやら魚を捕るための網に見えた。
―ここは、どこ?
 幸は思い出そうとして、戸惑った。何も思い出せないのだ。
 何故、自分がここにいるのか、ここがどこなのか―、いや、自分が一体、何者なのかさえ判らない。無理に思い出そうとすると、ズキンとこめかみから後頭部にかけて響くような鈍い痛みが走る。
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