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第17章 番外編第二話【薔薇ものがたり】～或る画家の絵～　

―織部は描く仏に自分の意中の女性の面影を重ねたのではないかと―。
　先刻の男の台詞がありありと蘇る。
　有田織部は生涯独身を貫いたとされているが、その長い一生の中に秘められた恋があったのだろうか。けして結ばれない女性の姿を己れの描く仏に託したのだろうか。男のひと言に、様々な想像が想像を呼び起こし、謎の多いといわれる孤高の天才絵師織部の生涯の空白を埋めてゆく。