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空の記憶~あなたと私と彼、それから~
第20章 番外編第三話【秘恋~背徳の恋~】 濁世の花 
 二十二歳という花の盛りの匂うような色香をかえって墨染めの質素な尼姿が引き立てている。しかし、十三から尼寺で暮らした光円に、男の狼狽える原因がそも我が身にあるとは想像もできなかった。
「ご迷惑をおかけするのは承知で厚かましくお願い申し上げます。ほんの二、三日、私をここへ置いて頂けますでしょうか」
 男が布団から降り、改まった調子で頭を下げた。光円は微笑んで頷く。
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