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空の記憶~あなたと私と彼、それから~
第20章 番外編第三話【秘恋~背徳の恋~】 濁世の花 
「あの鳥たちにしても、花にしても、自然に生きるものたちは皆、無心だ。この池に咲く花の何と穢れなきことでしょう。このように濁った池から清廉な花を咲かせる―、まるで、この世のものとも思えぬ清らかな光景です。あなたは、まるで、この花のように見える」
 その言葉に、光円は眼を見開いた。
「一途に仏の道に生きようとなさるその姿は、私には眩しいほどで、近づくこともできない」
 最後の言葉の意味を光円は計りかねたが、我が身が睡蓮のようだと言われたことには、ゆっくりと首を振った。
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