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空の記憶~あなたと私と彼、それから~
第22章 番外編第四話【轍~わだち~】 
 夜になれば、北の海辺にポツンと一つだけ建つ家には、肌寒さすら感じる冷んやりとした風が吹いてくる。
 祖母は戸口から三叩土を上がってすぐの広い板の間を厨房として使っている。板の間の中央には大きな囲炉裏があり、冷え込みを少し感じるようになった頃、祖母は囲炉裏に火を入れた。
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