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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第9章  ~夜宴は月夜の下で~

 ルカはソファから立ち上がる。


「とりあえずは様子見だ」

「…………わかった」

「おやすみケイル、早くお前も寝ろよ」

「……ああ、お前こそな」


 ルカとケイルは目で挨拶を交わし、ルカは屋敷を出て寺院にゆく。

 外は既に闇に包まれていた。

 煉瓦道を照らす月明かりと、外灯。

 この国の最高責任であるルカ。
 彼は、一人で出歩くことが多々ある、護衛はケイルしか基本頼まない。


 さすがに遠征に行く時は護衛をつけなければ宰相がうるさいが。

 
 
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