この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第12章 ~affection~

言葉を伝えるのは難しい。
そんな風に思ってくれてる事が正直嬉しい。
その想いをどうあらわせばいいか。
ルカはサクナに外衣を着せ、衣服に挟まれた髪をすくい後ろへ流す。
「こんな気持ちになるのはサクだけだ。他の奴らにはどう思われても気にならないのにな」
ルカは、ちょっと困ったような表情でふっと鼻で笑う。そんな表情を見ると抱きしめたくなる。
「うまく言えないけど。別にそのままでいいと思う。ルカはルカだから好きになったんだもん」
サクナはギュッとルカを抱きしめる。
こんな単純なことしか言えない。
それが歯痒く、本当はもっと上手く伝えたい。
ありのままの姿を見せてくれるルカを好きになった。
兄のような強く優しい包容力、それもルカの魅力のひとつ。でも、それだけじゃない。

