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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第13章 ~花嫁の苦悩~
かける言葉も抱きしめてくれる腕も、いつもと同じ。だけど、やはりいつもと違うルカ。
繋いだ手がやけに熱くなる。
本当は怒ってるんじゃ────
否応なしにもそれを感じてしまう。
ただ、一度も拒絶されたことはない。
いつも、ルカはその気持ちに応えてくれる。
執務室だろうと、王宮の外だろうと、日の高いうちだろうと。
応えてくれないのがこんなにもモヤモヤするなんて知らなかった。
『駄目よ、こんな所で、日の高いうちに』
それは、サクナがよく口にする言葉だった。
ルカがそれを気にしてるとは思えない。
なら、理由は…………
────私が他の男性に触れられたから?