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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第13章 ~花嫁の苦悩~
王宮に戻り執務室に行くのかと思ったが、連れて来られたのは湯処だった。
時刻は夕方前、昼食を摂った後に大聖堂へ行った。
それでもまだ沐浴するには早すぎる時間。
ルカは何も言わず、サクナのドレスを脱がし始める。
「あ……ルカ? 湯浴みするの……?」
「嫌だったろ、ヴィストに触れられて」
「…………だから?」
────だから、私に触れたくない。
無理強いだったとしても、ルカ以外の人に触れられたのは事実。
そんな自分をルカは触れたくないんだ、そう思うと途端、寂しさが襲う。