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祈り姫 ~甘い香りに惹かれて~
第22章 ~二人の未来~
「すごい……」
水平線が見える、目の前に隔たりはなくどこまでも続くブルー。
「母上、あまり身を乗り出すと海に落ちますよ」
どこか一歩引いた冷めた口調の、リキマシア国王太子殿下であるラファエル。
春の陽射しをうけ、ストロベリーブロンドの髪がキラキラと眩しく、父親譲りの利発な瞳を少し細め冷ややかに母を移す。
「あっ、見てラファエル。今、魚が跳ねたよ」
「母上って、こんなにはしゃぐ方だったんだ。可愛らしい一面もお持ちなのですね」
若干、七歳にして子供らしくない落ち着いた表情を緩めクスっと笑う。