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第22章 ~二人の未来~

「少し風が出てきましたね。父上、アリアが風邪をひいては困りますから僕が部屋に連れて帰ります」

「部屋に戻るの？　なら、私たちも」

「母上、せっかく王宮から離れたのです。たまには父上とふたりきりになって下さい」

　ニコッと大人びた、されど少年らしい人懐っこい笑顔を見せラファエルは、妹のアリアを抱きかかえる。

「では、ごゆっくり」


　ラファエルに、続きケイルとユイナも一緒にデッキを離れ、賑やかだったこの場所に静けさが訪れる。


「せっかくだって……ここは好意に甘えてもいいんじゃない？」

「……うん」


　青年だったルカは元々大人びた表情をしていたほうだが、父親となりその風貌はより男性らしく、けれどサクナに見せる笑顔は変らない優しい面影を残す。