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濡れて堕ちて……
第12章 審判
2人で食事したり、激しく抱かれたりしたダイニングキッチンに置かれたテーブル。

懐かしくて愛しい。

流し台や室内、見えてる部分だけでもだいぶ散らかっている。

服は脱ぎっぱなしだし、洗い物もだいぶ溜まってる。


汗の匂いが充満してる。


浩一、掃除は何とか出来たにしても洗濯の手順だけは何が何でも覚える気はなかったみたいだし

ちゃんと洗濯してないんだな。


浩一はテーブルにつき、面倒臭そうに俯き溜め息を吐いている。


そりゃそうだ、不倫してた妻が今更何をノコノコ帰って来たんだって話だし。


それに、どこから話せばいいの?

不倫をしてたのは紛れもない事実なのに…。




「何だよ、その格好…」

「あの、これは…」



髪も服もびしょ濡れ。

おまけに手ぶらで、水攻めにあってたせいでメイクもぐちゃぐちゃだ。



「ずいぶん楽しんでるみたいだな」


楽しんでる?


楽しんでるって…


別に、そんな…変なプレイをしてた訳じゃない。


「浩一が思ってるような…そんな事してない!」


激しいプレイどころか

さっきまで水の張った浴槽に沈められて

殺されそうになってたのだから。



けど、説明したくても、一体どうやって?

どこから?何から話せばいい?


何か話さなきゃ、余計変に思われる。

でも、何1つ言葉が出てこない。
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