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第3章 父の残したもの

「っ！？ なんですかっ！？」


慌てる私を男はニヤニヤと見つめる。


そしてそのゴツい手で私の腕を掴んで私を強引に外に引っ張り出した。



「ちょっ…！！なんなんですかっ！あなたたち！」



あまりに乱暴に引っ張られたせいで私はドアの外にひざをついて倒れた。



それと同時に投げ出されたビニール袋から、ハンバーグの材料が散らばる。



「君、藤木彰の娘かなぁ？？」



フジキ アキラ………


あまり考えないようにしていた父の名を耳にして私は顔を上げた。



「おいっ！どーなんだっ！答えろよ！！」



後ろに控えていたもう一人の男が今にも私に襲いかかろうとするのを、手前の男が片腕を出して止める。



「おいおい、そんないきなり威嚇しちゃあかわいそうだろうが。ほら、見てみろ、カタカタと震えて怯えてるじゃねぇか。

なぁ？おじょーさん？」



イヤらしい目付きで私を見つめると、私のアゴを男がグイッと掴んだ。



「娘の真希です。何か用ですか。」




気味の悪い手に触れられているのが嫌で私は顔をブンッと振って、その手から逃れた。



「ふっ。気丈だねぇ～」