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第9章 再会：出会い

理系の市ノ瀬

文系の三上

要はそういうことらしい。



この二人の先輩が、〇〇大の花形スター

女の子たちの憧れの的

なんだかその辺のドラマにでもありそうな…


ただ二人と直接関わった今
そのスター性は認めざるを得ないというもの。



“でも真反対だよー”


ホント、真反対…


柚子の頭の上には二人の男が浮かんでいた。




天使の微笑みで
「気をつけてね」という翔

悪魔の黒笑で
「黙れ」という匠



なんだこれ

まさに、よくある恋愛ドラマ

それか…小さいころ読んでた少女漫画？



「くだらない…」

柚子は小さく溜め息をついた。

優しい三上先輩とは もう関わることも無いだろうし

あの男…匠さんとは、絶対関わるべきじゃない。



もうわたしは大学生なのだから

そんなドラマみたいな青春を夢みる年でもないわ

第一、大学生にもなって青春なんて言ってるのもおかしいか…。

まぁそこは、女子校だったから仕方ないのかもしれないけれど──。




わたしは普通の女として、普通の人生を



柚子はマスクの紐を少し引っ張り
そしてゆっくり耳にかけ直した。