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レモンティーな朝焼け―母娘調教―
第18章 視線
ゾクリ、とする寒さだった。

効きすぎているクーラーのせいだけではない。

ネットリと絡みつく男の視線によるものだと香奈子は思った。

メガネ越しに覗かせる細い目に邪悪な欲望を感じるのは、気のせいだけではないだろう。

バストや下半身を無遠慮に眺める無礼な態度に、今度はこみ上げる怒りが身体を熱くさせる。

「そうですか、それは良かった・・・・あいつも奥さんに信じてもらって何よりだ」

わざと煽るように言う。

神経を逆撫でするような言葉を、執拗に投げてくる。

香奈子の肩が小刻みに震えている。

(ハハハ・・・怒ってる、怒ってる)

面白いように挑発に乗ってくる。

薬を飲まされている事を知らない香奈子は、興奮している自分を持て余していた。

(何よ、この男・・・・さっきから)

竹内の言葉や態度がイチイチ感に触る。

「フゥッー・・・」

タバコの煙を生臭い息と共にしきりに吐くので、部屋の空気が重く感じられる。

「しかし、あいつの気持ちも分からないではないなぁ」

竹内の声が大きくなっていく。

「こんな豪勢な家にいたら息がつまる・・・・婿養子も辛いものですな」

無礼な言葉だったが核心をついたのか、香奈子の胸にズキンと響いた。

「な、何をおっしゃりたいのです?」

両目を大きく開いて、男をにらみつけた。

(ああ・・・いいねぇ・・・この表情)
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