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レモンティーな朝焼け―母娘調教―
第10章 予期せぬ訪問者
母が家にいて、料理を作っているのかもしれない。

そっと扉に近づくと、音がしないように広げた隙間から覗き込んだ。

「あっ・・・・」

危うく出しそうになった声を飲み込む圭子の両目は、驚きに大きくなっている。

「なっ・・・ど、どうして・・・・?」

予期せぬ出来事に、圭子は扉から身体をひるがえし、横の壁に背中をつけて呼吸を整えた。

カバンを抱きしめるようにして、恐る恐る振り返ると、同じシーンが目に飛び込んできた。

ソファーの前のテーブルに、料理やビール瓶が並べられている。

「ど、どうして・・・?」

同じ呟きを繰り返す圭子の目に、おぞましい姿が見えていた。

「い、いやぁ・・・・」

思わず声を漏らした圭子は、それが今、最も嫌いな竹内である事に絶望を感じた。

肉をむしりとる唇は油でヌラヌラと光り、ガツガツと貪る音が聞こえてくる。

太い指でビールが入っているグラスを掴むと、ゴクゴクと喉を鳴らして飲み込んでいく。

「あっー、うめぇっ・・・・」

顔をしかめて叫ぶ男は、全身裸であった。

かなり飲んでいるらしく、顔を含め、首筋まで真っ赤になっている。

しかもたるんだ下腹がポッコリと膨らんで、醜い姿を一層引き立たせていた。

(どうして、アイツがいるの・・・?)

気が動転している圭子は、今の状況を理解できないでいた。

平日の昼間に家族以外の男が裸でいる事に、当然浮かんでくる事実まで頭がまわらない。
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