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嵐の夜に痕をつけられて
第3章 先輩と暗闇と雨 ★
窓に叩きつける雨音が暗いオフィスに響き渡る。


「あ、いざわ、さん」

「なに?」

「あ、んっ、ふぁっ」

「聞こえないよ」

「まって、あっ、だめ、あん!」

「少し黙って」

「んん!」


相沢さんが私の舌を追いかける。
逃げようとしても大きな両手が顎と首をしっかりと掴んでいて動けない。

振り払おうと相沢さんの手首を握ってもびくともしない。
苦しくて息をしようと口を開ける度に相沢さんが深く入ってくる。

口の中を一方的に掻き回されて窒息するかと思った頃、ようやく相沢さんの顔が離れた。


「はぁっ」


息ができる。
深く息を吸った瞬間、相沢さんの舌が鎖骨を這った。
ジュルッと唾液が滴る音がする。
舌の感触が一気に背中まで走る。


「あっ! んっ」


思わず声が漏れる。
上を向かされたまま、相沢さんの手首を強く握って抗議しても彼はお構いなしだ。
そうこうしていると彼の舌は首をなぞって再び唇に戻ってきた。

唇から滑り込む舌は再び私の口内を犯していく。
追いかけ、舐めて、吸われる。

気持ちいい。
もっと、もっと。

身体の芯が熱くなる。
ぬかるんでいくのが自分でも分かる。

だめ。
どうして相沢さんとこんなことをしているの。
いけない。
今抵抗しないともう戻れなくなる気がするのに。

気持ちよくてたまらない。
頭も身体の奥もジンジンする。
腰が揺れて立っていられない。

もっとして。私の身体に触って。

ギリギリ残った理性が崩れるのがもはや時間の問題になった頃、相沢さんが私の唇を舐めながら呟いた。


「何も考えないで」

「俺のせいにしていいから」


どういうこと? 何を言っているの? 
この人はどうして私にこんなことをしているの? 


「今だけ、俺のことだけ考えて」


相沢さんの乞うような声が脳に響く。
そう言って再び唇を塞がれ、彼はまた私を味わう。

快感に任せて私も彼の舌を追いかける。
どちらが求めているのかもう分からなかった。
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