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嵐の夜に痕をつけられて
第2章 元彼と雨
亮太はいつも私の家にきて、ご飯を食べるとセックスをして帰る。
ここ一年はずっとそんな感じで、最近はご飯を食べたらすぐに帰っていた。

それでも私から別れられなかったのは、亮太のことが好きだったからだ。

いつも自信満々、明るく冗談も言えて誰に対しても堂々としている亮太は私の憧れだった。
たまたま私が彼の仕事のフォローをする機会が重なったのが仲良くなったきっかけだった。

亮太に恵と呼ばれることが、彼の腕に抱かれることが夢みたいで、どうしても彼女の立場を手放すことができなかった。
たとえ彼が飲み会の後に他の課の女の子といなくなったと聞いても、私に隠してくれるなら聞かなかったことにした。

亮太の彼女でいたかった。

でも今、はっきりと彼から他に好きな子ができたから別れてほしいと言われてしまった。
あれだけ手放せなかった彼女という立場は彼の方からあっさりクビにされてしまった。

それでも、亮太への気持ちよりも潔く別れる自分でいたいというプライドの方が大事だった。
私の気持ちも所詮その程度だったのだ。

可愛くない。その通りだ。
そんなの自分が一番分かっている。

会社帰りに寄った駅前のコーヒーショップで、私たちの二年間は十五分で終わった。
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