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私は彼女のセフレ希望
第1章 ドライブ中に
 私でいいじゃん。
 そういった親友の言葉の意味が理解できなかった。
 確か結婚する前に火遊びがしたいって話してて……。
「だから、女同士なら浮気にならないだろうし……。でも、そこは人にもよるか。まあ、異性よりは罪悪感もないでしょ? この一回だけにして、私たちはその後も今まで通り友人を続けるの」
 満足気に頷くゆりは、私のことを置いてけぼりにして話しを続ける。
「するならやっぱりラブホだよね。万が一見られても女子会ってことにして。やっぱり我慢とかいらないところで思いっきりした方が絶対気持ちいいし」
 車を運転中の私の頭の中で、ゆりの会話にさかれている思考は三割あるかってところで、とんでもない内容に処理が追いつかない。
 少し先で信号が黄色に変わった。ブレーキを踏み、ゆっくり停止する。
「ねぇ、ゆりって同性愛者だったっけ?」
 なんとか出た疑問はそれだけで、ゆりは少しの間言葉を探している様子だった。ゆりにも確か彼氏がいたはずだったけど。
「うーん。女の子を好きになったことはないかな。でも、女の子を抱きたいって思ったことはあって、一度女の子とそういうことしてみたくはあるんだ。それが薫なら嬉しいし、どうかな? 一度私に抱かれてみない?」
 冗談なのか本気なのか分からない声のトーンで話すから混乱する。曖昧に頷いていると信号が青に変わった。

『また遊ぼ―! ってか、ホテル行こ!』
 そんなストレートなメッセージが来たのは、前に会ってから一か月が経とうとしていた頃だった。
 彼と籍を入れ引っ越すのを機に職を変えようと思いたった私は、既に辞表を出して今は有給休暇に入っている。
 人生で初めて、友人(女)からのホテルの誘いになんと返信すればいいかも分からず、誤って既読をつけてしまったものの、無視をしてしまっているような状況になってしまった。
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