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彼女に抱かれたい
第17章 それから…
「あ、初めまして!水谷マイです。この度はおめでとうございます。」
「ありがとうございます。水谷さんとおっしゃるのね。
サトシがあなたの事を話していたからね、お会いしてみたかったの、マイさんと。
あなたも応援に来てくれていたのね。ありがとう。」
「いえいえ、とんでもない。私が応援したくて来たんです。
彼の努力が実って、本当に良かったです。怪我していた時期、本当に辛そうでしたから…。嬉しくて涙が出ちゃいました。」

私を知ってる?それも名前まで。
柔らかい表情は崩れていないし…とりあえず悪印象を持たれているわけではない…かな?

「本当に良かった。立ち話も何だから、少しお茶でもしませんか?」
「あっ、ハイ、是非。」
私はサトシくんのご両親に誘われて近くの喫茶店へと入った。



「サトシがね〜あなたの話ばっかりするのよ。
怪我してた時はホント辛そうだったんだけどね。なんかいきなりリハビリ張り切りだして。
復帰したと思ったら「彼女ができた」って言ってね。聞いたらあなたの話ば〜っかり。
ホント…息子を取られちゃった気がして妬けた。ふふっ。」


うっ…これは…嫌な予感…。

「おいおい、そんな話するためにマイさんを引き止めたんじゃないだろう。」
そう嗜めたのはお義父さんだった。
「もちろん。マイさん、私ね、ホントにあなたに感謝してるの。」

…??
どういうこと?話が読めない…。

「あの子ね…昔いじめられっ子で、中学の時は学校にもあまり行きたがらない子だった。
ずっと自分に自信がなかったのよ。
怪我した時もね、せっかく楽しくなってきたのにもうこの世の終わりみたいな事言ってた。
私からすれば、たかが部活って思ってたんだけどね。」

…そうだったんだ…。
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