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彼女に抱かれたい
第19章 約束
『これが今の俺の精一杯なんだけど…受け取ってくれますか?』
「ふっ…うっ…ううっ…っはい…。」

返事もまともにできない程に溢れる涙。
彼は私の左手をそっと優しく握り、薬指へと指輪をはめてくれた。

『待っててくれる?』
「うん…もち…ろんっ…。ううっ…。」

甘く囁く彼にそっと抱き寄せられ、彼は私の涙が落ち着くまで優しく抱きしめて頭を撫でてくれた。

背…伸びたんだね。
出会った頃は私とあまり変わらないくらいだったのに…。
逞しくて、カッコよくて、可愛い私のサトシくん。

あどけなさがまだ残る彼。
しかしその顔立ちはキリッとしている。

私はそっと踵を上げて彼にキスをした。
目線が同じ頃はキスの時に踵を上げることもなかったのに…。
大人のオトコとしての魅力が漂い始めた彼に、私は欲情していた。

『マイ…俺にも、指輪つけて?』
「うん…。」

彼の左手をとって指輪をはめる。
大きくてゴツゴツした手。
それでいて手の肌は柔らかい。

彼の全てのパーツが大人になりつつあるのに、やはり童顔な顔立ちと純粋な目は変わらない。

「サトシ…私、待ってるから。ちゃんと迎えに来てね。」
『もちろん。俺だけのお姫様。愛してるよ、マイ。』

彼は私を抱きしめてキスを落とした後、私の耳元で囁いた。
『ホテル…いこ?』
「喜んで。私だけの王子様。」
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