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第9章 愛しのマサキ

まっつんまっつん

幸子は呟きながら歩く
まっつんが居なくちゃあたしの人生考えられない
まっつん

いつの間にか松下の会社の前まで来ていた
幸子もかつては通った職場

「幸子せんぱーい！」

聞きなれた声がする
後輩だった鶴見だ

「先輩何してるんですかー。あ、三原さんと待ち合わせ？呼び出しましょうか？」

「いやいや、いいの。別件できたから。それより仕事はどう？」

「私、主任になりました。」

鶴見は大人びたようだ
二人で話していると
三原が女性と一緒にゲートから出てくる
手こそ繋いでいないもののかなり親しげな距離
幸子よりも若い女の子

「はーん。」

もう次が居るのね
おモテになること


松下らしき人もゲートから出てくる

「先輩、松下課長に用事ですか？」

鶴見は鋭い

「うんちょっとね。」

「松下さん、なんか前より暗くなったと言うか、、。あまり喋らないんですよ。飲み会も断るし。」


鶴見と分かれて
幸子は松下にゆっくり駆け寄る
忘れられていたらどうしよう、、
幸子に気づいたのか向こうから幸子の方に凄い勢いで歩いてくる

「どこ行ってたんだよ！」

松下に腕を捕まれる

「どこって、、。」

「心配したんだぞ。お前が居なくなって夜も眠れなかった。」

「まっつん、あのね、、奥さまが心配してる。一緒に家に帰ろう？」

「奥さま？吉村、頭イカれちまったの？俺独身だけど。」

へ？何を行ってるの？？

「飲みに行くか。話したいことが山ほどあるんだ。」

松下が幸子の手を引いて歩き出す
途中、三原と遠目で目が合った様な気がしたが
幸子は松下を無事に送り届けることに必死だった