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桜が咲く頃逢えたら
第5章 多忙だから放置だなんて大丈夫なの?
「なんか、いやらしい匂い、してる!」

帰宅するなり、紘子さんに言われて紅くなる。


「男子禁制なのに!
まあ、家主だから許すけど。
で、どうなの?
何回、ヤッたの?」

「えっ?」

「やだ。
今、頭の中で数えようとしたでしょ?
良いの良いの。
何回でもヤッて?
それより、犬、見たい」と、
私の寝室に入ると、
「んっ。
こっちの方が匂いしてるよ?
これ、お父様とか来たら、
発狂して、実家に連れて帰られるレベルだよ?」と言われる。


「えっ?
ちゃんと捨てたし、
空気の入れ替えもしたのに…」

「なんか、濃厚に愛し合った痕跡を感じるもん。
こっちでも、寝たでしょ?」と言われて、
耳まで紅くなってしまう。


「うわー。
ぬいぐるみみたい。
良いな。
タロウ?
変な名前!
動物は不潔だからって、
家は、飼って貰えなかったんだよね。
絶対結婚したら、
猫も犬も飼いたいな」と言った、
そっと頭を撫でている。


「ねえ?
そんなに匂い、する?」ともう一度訊くと、

「もう、瑞樹さんてば。
冗談よ?
揶揄い甲斐があるんだから。
そんなに、亮平さん、良いの?」と笑われてしまう。


私はそっと頷いた。


「まあ、避妊はしっかりしないとね?
ピルとか飲む?」と言われて、
目を丸くすると、

「ほら、ゴム使うと、
なんか異物っぽくて痛いこともあるし、
妊娠は怖いし。
生の方が絶対気持ち良いし」

「気持ち良い…?」

「えっ?
あ、そうか。
まだ、痛さの方が強いのね?
ゴム、使った?」

「持ってなくて…。
お外に出したり…」

「お口でしたり…?」
と続けられて、紅くなってしまう。


「不味いけど、なんか、飲むと喜ぶもんね。
大好きなオトコなら、
不味くても飲んじゃうかな?」

「どうして良いか判らなくて…」

「そりゃ、初めてならそんなもんでしょ?
そのうち、向こうが腰抜けちゃうほどフェラするようになったりしてね?」

「…」

「終わった後は、どんな感じだった?」

「どんなって…。
もっと一緒に居たいって言いながら、
ずっとハグして髪とか撫でててくれたの」

「ふーん。
じゃあ、本当に大切に想ってくれてるみたいだね。
それなら瑞樹さん、安心して託せるかな?」と、紘子さんは微笑んだ。
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