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健康診断1泊2日コース~検体はこちらで採取いたします~
第3章 2日目
ノックの音で目が覚めた。
まだ頭がぼーっとする。
昨日の出来事がまだ京華の中で処理しきれいていなかった。
そんな京華の精神とは裏腹に、窓から見える木々は強い日差しを浴び、ゆったりと風に揺られている。

「藤原様、朝食をお持ちしました」

香川の声が聞こえる。
重い体を起こし、ドアへ向かう。

「おはようございます。」

「おはようございます。よく眠れましたか?」

「あれからすぐ寝ちゃったみたいで。おなかが空きました。」

「それはそうでしょう。夕食を召し上がらなかったようなので、少し多めに朝食をご用意しました。もし不足があれば言ってくださいね。」
朝食を部屋の中に運んでくれた。

「ありがとうございます。」

「今日は治療日になります。一柳先生、いろいろ考えたみたいですよ。まだあと2時間ほどありますので、ゆったりお過ごしください。あ、点滴やおしっこの管が入っていますが、そのままシャワーは浴びれますよ。」
笑顔を浮かべながら言う。

「わかりました。」

「治療まではまだ時間があるのですが、ちょっと準備だけさせてください。藤原様は不感症との診断なので、不感症治療薬を点滴の中に入れさせてくださいね。あ、おしっこのバッグもいっぱいですね。」

「あ・・・。」

京華は気づかなかったが、確かにバッグはパンパンだった。
香川は新しいものと交換する。
時折揺れる管が尿道口を刺激し、京華は声が漏れ出そうになったが、香川に気づいかれまいとゆっくり呼吸するよう意識した。
新しいバッグが繋がると、香川はおしっこの管をロックした。
点滴に治療薬を混ぜ、少し速める。

「よし。これで検尿はできるし、おしっこが流れることはありません。」

おしっこが流れないことの何がどう「よし」なのかわからなかったが、とにかくお腹が空いた。
昨日の朝から何も食べていないのだ。
早くごはんが食べたい。

「私はこれで失礼します。またお迎えにあがりますので、ゆっくりとお寛ぎください。」
バッグを持った香川はゆっくりと扉を閉め、部屋には京華だけになった。

とりあえず京華は食べた。
ヨーグルトを食べ、サラダを駆け込み、2つあったクロワッサンのサンドイッチをジュースで流し込んだ。
プレートの隅に小さなおにぎりとお新香が置いてあったが、これは今は入らなかった。
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