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第4章 恋心

不倫はリスクがありすぎるのだ。
何もかもを失ってしまう。

人生の中で最も長く共に過ごした愛する人と他人になるなんて、想像しただけで泣きそうになる。
若い頃の坂口にも浮気心は当然あった。

一生、妻一筋とできるほど人間は出来ていないと鼻から自覚があった。
我慢すればするほど、反動で浮気するにきまっている。

そう考えた坂口は風俗に通ったのだ。
そうすることで、いつでも新鮮に妻と接することができる。

男の身勝手な思い込みだ。
そんなことは分かりすぎるほど、分かっていた。