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木の実を集めて君にあげる
第8章 どうやったら護れる?
瑞樹ちゃんの手を握りながら、
宇田川亮平がちょっと重い病気に罹ってしまって、
入院してることや、
そのせいで携帯も病院内では使えないから既読にならなかったってことを静かに伝えた。


瑞樹ちゃんは、今すぐにでも会いたいという感じで、
起き上がりそうになるくらいだったけど、
そんな身体じゃ、かえって心配掛けちゃうから、
ちゃんと食事もして、
身体を治してからお見舞いに行こうねと言った。


「赤ちゃんのこと、
話せないの?」と呟く瑞樹ちゃんに、
正直にあんまり亮平さんの状態も良くないから、
安定したら話をした方が良いと伝えた。


瑞樹ちゃんはポロポロと涙を流していたから、
そっと涙を拭って髪と背中を撫でた。

それでも、震えて泣き止まない瑞樹ちゃんを抱き締めて更に僕は静かに考えていることを伝えた。


この前も言ったように、
瑞樹ちゃんが子供を産みたいとしても、
今は宇田川亮平が父親として一緒にいることが難しい。
そんな状況だと、
ご両親は出産を許してくれないだろうから、
僕が父親っていうことで話を押し通そう。
勿論、暫くバレずにいれば良いけど、
万が一、バレちゃったら、
そう説明するのが、ベストじゃないかな。


瑞樹ちゃんは、
そんなことを言ったら、
僕が悪者になっちゃうから、
そんなこと、出来ないと言った。


僕は、瑞樹ちゃんを心から大切に想っているから、
そんなこと、気にならないと何度も言った。

瑞樹ちゃんがやりたいことは尊重したいし、
瑞樹ちゃんを守りたいから。


そう。
僕はもう、決めていた。


宇田川亮平は、奇跡が起こらない限り、
亡くなる。

瑞樹ちゃんは子供を産みたいと考えている。


だったら、
僕が、その子供の父親になって、
瑞樹ちゃんごと、守っていく。

司法試験諦めれば、
家庭教師とかのアルバイトをする時間も出来るだろう。

就職先も困らない大学だし、
あとは、瑞樹ちゃんのご両親を説得するだけだ。

説得出来なくて、勘当されたとしても、
多分うちの親は、
瑞樹ちゃんなら受け入れてくれるはずだ。


純粋に瑞樹ちゃんを守るという気持ち以外に、
瑞樹ちゃんを自分のモノにする為に、
このことを利用しようとしてる、狡い自分がいるような気もしていたけど、
それでもとにかく、瑞樹ちゃんと一緒に居たいと思っていた。



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