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not erotic love stories
第3章 メモ:雨宿り(第一話)待たされている女
白く細い指が、グレーのキーボードの上をタップダンサーの様にリズムを刻んでいる。 

カタカタカタ、パシッ、スタタタトン、タンタン、タタン・・・。

机の脇のペーパースタンドのなぐり書き書類が、まるで魔法の様にモニターの中で整然とした文字に置き換えられていく。

唇はさして彩りも与えられず、少し乾いたままキュッと結ばれている。

うなじから覗く白い肌はシミ一つ無いのだが、引っ詰め気味に野暮ったく結ばれた髪と同様に社内でその美しさを知っている者はわずかであった。
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