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リモートされる美女
第1章 目撃
阿川智人はアパートの自室で所属する大学ゼミのリモート講義を受けていた。

コロナ禍の今、多数の生徒が集まる大学の講義はかなり制限されていた。

一時期の全ての講義をリモートで受けるフルリモート状態からは改善されていたが、いまだに講義の約半数はリモート講義という形を取っている。

このリモート形式の講義は非常に退屈であったが、
なるべく密を防ぐ処置としては致し方ないものであった。

15人ほどいるゼミのメンバーとも実際に2回会ったが、普段は画面越しで週に1回顔を合わせるだけであった。

ノートパソコンの画面にはメインで話している教授と自分を含めた生徒達の顔が映し出されていた。

教授の講義を聞きながら智人は右上の1人の女子生徒に視線を向ける。
智人の視線の先には際立って美しい顔立ちの女子が映っていた。
彼女の名前は高見結衣。
智人と同じ2年生だ。

初めて彼女に会ったのはゼミメンバーの顔合わせの時だった。
ファッション雑誌から出てきたような垢抜けたファッションに、それを堂々と着こなせるスラッとした細身のスタイルと小顔。
そして美しい顔立ちに度肝を抜かれた。
彼女はそこにいるだけで輝かしいオーラを放っていた。
彼女は斜に構えることもなく、すぐに周りの女生徒達と打ち解けて談笑が始まっていた。

後で知ったことだが、高見結衣はこの大学で一番美人だと皆から目されている生徒だった。

智人もその評価に異存なしだったが、智人を含めて男子達にとっては間違いなく高嶺の花と呼べる存在であった。


智人はリモートの画面を見つめて
自分を含めて、こうして顔を並べられると高見結衣とその他ではルックスに圧倒的な差があることがわかる。
他の女子達も一般レベルではむしろ整っている方だと思うが、高見結衣と比較するのはもはやアンフェアだった。
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