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呪われた王宮~宿命を負う聖少女の物語
第110章 王宮の平和(アズート)
「ディオン・・・」
「ん・・・・何・・・・?」

妻の甘えるような声に男は優しく聞いた。

「ううん・・・」
はにかむように微笑んだルナは、夫の逞しい胸に頬を摺り寄せて囁いている。

「ただ・・・・」
金色の瞳が潤んでいた。

「呼んでみたかったの・・・」
「ルナ・・・・」

口付けに言葉は必要なかった。
小鳥達の歌が二人を祝福している。

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