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呪われた王宮~宿命を負う聖少女の物語
第55章 後悔(アズート)
老人達は必死に身をかばいながら、マチルダと共に抜け道を逃げていくのだった。

(お前は優しい、マチルダ)

僧侶の声が聞こえる。
途絶える事なく少女の心を包んでくれる。

(お前はジュームの最後の人だ・・・。幸せになるのだ、マチルダよ)

抜け道からジャングルに出た。
もう声は聞こえない。

「僧侶様・・・」

それでも何度も振り返りながら僧侶を呼ぶマチルダの心に、いつまでも優しい声は消えないでいるのだった。
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