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呪われた王宮~宿命を負う聖少女の物語
第66章 過ち(アズート)
マチルダは祈る。
毎夜、苦しめられる夢を忘れるため。

毎朝、繰り返される過ちを悔いるため。
日毎変わっていく自分が怖かった。

『お前は淫乱な女だ・・・。』

そうかもしれない。
あんなおぞましい蛇達の愛撫を受け、感じていた。

喜びの声を上げていたのだ。
あってはならない事だ。

夢の中の出来事は自分の心の奥底にある想いなのか。
マチルダは否定したかった。

しかし、それ以上のおぞましい罪を自分で犯していたのだ。
あの男と交わるなどと。

想像の中であるが故、一層怖かった。
自分の意思で求めていたのだ。

もう、自分を苦しめる言葉を拒否する自信も、すでに消えてしまっていた。
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