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寝取られた人妻
第1章 傲慢な男
夫が起こしたと思っていた事故は、本当は常務が起こし、夫はその身代わりになっただけだという。

驚いた。

今の世の中、そんね理不尽な事が許されていいのだろうか?

真実を会社に訴えたら、常務といえど立場が危うくなるのではなかろうか?

それなのに夫はどうして常務の身代わりになど・・

納得がいかなかった。

夫には言いたい事が山ほどあったが、夫は力なく項垂れるばかりだったから我慢したのだった。

「常務に土下座をされて助けてほしいと頼まれたんだ・・。常務とは同期だし、この事が上にバレたら常務の立場が・・」

夫は夕食も満足に喉に通らない様子でポツリ、ポツリと話を始めたのだった。

「それはわかるけど・・かと言って、何もそこまで・・」

私は腹立たしくて仕方がなかった。

「わかってる。わかってるよ・・!でも、仕方がなかった」

夫は涙を流していた。

そんな夫が不憫だった。

「わかったわ。もう、わかったから・・」

私はそんな夫が不憫に思え、後ろから抱き締めたのだった。

不幸中の幸い、今回の事故は轢き逃げでもないし、刑事罰が下される事はないようだった。

免許停止の処分で済みそうだったから、まだ救われたのだが、それにしても夫が不憫だった。

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