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第11章 無理やり…

印一さんは大学の先生でした。
そして私は学生で…
愛し合ったふたりは、私の卒業と同時に結婚しました。

印一さんには大学での仕事のほかに、もうひとつ夢がありました。
小さくてもいいので、学生用の安い下宿を経営することです。

近頃はモダンな学生用ワンルームマンションが増えたため、安い下宿アパートが消え、貧乏な学生たちが困っているというのが動機です。

ワンルームマンションに改築されようとしていた下宿アパートを、印一さんと私で買い取って耐震補強し、そのまま継続させたのが印蘭荘。
印一・蘭子の名前から1文字ずつ取って名付けました。

印一さんが急な病気で亡くなってからは、私が印蘭荘に住み込み、大家と管理人を務めています。