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いんらん荘の蘭子さん
第1章 いきなりの誘惑
管理人室でひと組の布団にシーツを掛け、まず敷布団を抱えて階段を昇り、3号室に向かう私。

3号室にはまだ家具は無く、畳が6畳の殺風景な部屋です。

三宅くんはボストンバッグを開けて、中から本を取り出して、床に積み上げています。

重い荷物の正体は本だったようです。
六法全書とか法律関係の本が多いです。

「法律に興味があるのね。 たしか三宅くんは大学では法学部に行くんだっけ?」
私は三宅くんに尋ねます。

「はい。 大学では法律の勉強をして、将来は司法試験を受けて、検事になることが夢です」
誇らしげな口調の三宅くん。

三宅くんはかなりの堅物で、誘惑するのは難しいかもしれません。
でも、難しいからこそ、攻略しがいがあるのです。

私は畳の上に敷布団を敷いて言いました。
「布団の寝心地を確かめなきゃね」
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