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花の香りに酔う如く
第7章 金木犀の香りほどの不安①〜沙羅
ボールペンを強請ったのは、
何か根本的に間違えだったのかな?

もっと可愛く、
華奢なネックレスとか、
ピンキーリングとかにするべきだったの?

でも、それだと、
刻印、入らないしと思ったんだけど。

楽焼のお茶碗よりは、
断然可愛かったと思うけど?


それとも、高かった?

ボールペンなんて100円でも買えるのに、
結構なお値段の、
やたらキラキラしたボールペンがチャラチャラしてた?


っていうか、
どうしてお兄様、
じゃなくて、律さん、
あの後、キスしてくれないのかな?


時々、額やほっぺにはしてくれるけど、
唇にはしてくれない。


好きって言ったの、
撤回されちゃったのかな?



でも、そんなこと訊けないし。


そんなことを思っているうちに、
夏は終わって、
秋になっていた。


境内を竹箒で掃いていたら、
微かに甘い香りがして、
キョロキョロすると、
物凄く大きい金木犀の樹の葉影に、
小さい星のようなお花が少しだけ開いていた。



優しい香りを吸い込んでいたら、
モヤモヤした気持ちが少しだけ和らいだ。

でも、その淡い香りほどの不安は、
まだ心にあった。



この香りがすると、
まもなく私の誕生日だ。

思い切って律さんに訊いてみようと思って、
シャカシャカと箒を掛けて、
落ち葉を集めてチリトリで纏めてからビニール袋に入れた。


そして、お寺の中に走って戻った。
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