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ただ一緒に居たいだけ
第8章 マインドゲーム
「あのさ。
オヤジ、結構、本気だった。
美波さんはどうなの?
ホントは歳上のオヤジの方が良いの?」と急に言うから、
お茶が気管に入って咳き込んでしまう。


「えっ?
大丈夫?」と慌てて後ろに回って背中をトントン叩いてくれるけど、
結構苦しくて泣いてしまった。


「はぁ。
苦しくて死ぬかと思った」と言うと、

「ごめん。
ヤキモチ焼いた」と頭を下げた。




「あのね。
慎吾さん、
まだ会ったばかりで、
お互いのことも知らないでしょう?
だから、簡単に私、決められないの。
ごめんなさい」と正直な気持ちを口にした。


「お父様なんて、昨日会ったばかりだし、
慎吾さんも、ついこの前、会ったばかり。
本当に私のこと、好きなの?
どうして?
どこが?
年齢差、気にならないって言ったけど、
年齢差について、ちゃんと考えてる?
子供の時に、見ていたテレビ番組も違うし、
学生時代に流行った音楽も違うの。
まあ、私、テレビが家になかったから、
そもそも、テレビ番組、よく判らないけど。
カラオケ、行ったじゃない?
私、みんなの歌う曲、
殆ど知らなかったのよ?
子供はどうするの?
私、もう産めないと思う。
それでも良いの?
授かったとしても、高い確率で障害がある子供になるかもしれないけど、
それでも育てていける?」


慎吾さんは黙り込んでしまう。


「セックスしようとして、
服を脱いだ時もね。
慎吾さんはまだ、ハリのあるピカピカのお肌なのに、
私はシワシワでカサカサの肌なのよ?
そんなので、欲情するのかな?
お父様に、介護させるのかって言ってたけど、
逆に、私のこと、介護することになっちゃうのよ?
呆けてしまって、慎吾さんのこと、
判らなくなっちゃった私にご飯食べさせて、
オムツ交換とかするの。
そんなの、耐えられる?」


私は話しながら涙を流していた。
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