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密会
第3章 🌹June🌹


「日比谷教頭、彼女とか居るのかな?結婚はまだみたいだけど....。」

「あー...居るみたいですね。」

「そっか、やっぱり..........。って、え!?美月ちゃん、マジで?どこ情報それ!」

....しまった!心の声がつい...。

驚きで目を見開く三原先生を前に、私は一気に顔を青くする。


「か、風の便りで居ると聞いたので、信憑性は定かではないんですけどね...」

目を泳がせながら、もっともらしい嘘を吐いたが、彼女は私の見え透いた演技をあっさり信じてしまった。

「そうか...やっぱりそうだよね。教頭だもの.....はぁー....そうかぁ...」

ぶつぶつ独り言を言いながら、心ここに有らずな彼女に「ただの噂話ですから...三原先生、元気出して下さい。」と何とかフォローを入れ続けると、いきなりガラッと椅子から立ち上がった。

「そうよね!ただの噂話だわ!...て、もう6限目始まるね!またガールズトークしようね、美月ちゃん♡」

立ち直りの早いというか、切り替えの早い彼女は、手早く次の授業に必要な教材等を手に抱えると、風のように職員室から出て行ってしまった。

.....三原先生、日比谷教頭は貴方が思ってる程、魅力的な人じゃないんです。現に婚約者同然の彼女が居ながら平気で愛人を作る人なんですから。


「いや...言える訳ないわ...そんな事。」

一人取り残された私が、今度はハァーと大きな溜息を吐く番だった。

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