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神戸国際投資顧問会社秘話~”オフィスメイド”というご奉仕の形
第2章 オフィスメイド 神崎 愛実(めぐみ)
 
                 【第2話】

 夏の遅い夕暮れ、深い紫色に染まった六甲山の稜線が夜空に溶け込む頃、その麓にある神戸国際投資顧問会社の重厚な門を、白のベンツEクーペが入っていった。駐車スペースに停まると、運転席から、この会社の出資8家の一つ、佐竹家の当主が、ノーネクタイのシャツ姿で、大きな手提げの紙袋を提げて降り立った。佐竹家は、旧秋田藩主の分家筋で、明治期に神戸で船舶用機械の輸入販売を始めたのを始まりとして、現在では、大型ディーゼルエンジン製造の会社を家業としている。

 玄関脇で、セミロングの髪をポニーテールにまとめた社員の神崎愛実が出迎え、深いお辞儀をした。制服の白いシャツの胸が揺れ、紺のタイトなミニスカートから、膝の細いすらりとした脚が伸びている。 「いらっしゃいませ、佐竹様。ご案内いたします。」

 佐竹が入った小会議室には、四人掛けの重厚な会議机と、窓際には黒革張りの大きなソファーが置かれている。窓には、アールヌーボーのあざみの地模様が入ったベージュのカーテンが閉められて、部屋全体に落ち着いた雰囲気を醸し出している。
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