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第8章 裏取り引き

「はい、確かに」

承諾書に署名してもらい
緑川がニヤリと笑った。

「よし、やると決まったからには
大いに楽しもうじゃないか！
動画を購入してくれる方に
満足のゆく作品を作ろう」

そうだろ、おい！

渋い表情の京塚広の肩を勝ち誇ったように
笹岡はポンポンと気安く叩いた。

「おい、ハゲ！
お前は広がちゃんと撮影しているか
モニターチェックを怠るなよ！」

はいはい、わかりましたよと
今回も女体に触らせて貰えないのかよと
「チッ！」と舌打ちをしてモニターの前に座った。

「それじゃあ、入浴シーンから張り切っていこう」

笹岡の号令と共に
緑川が恵美里にまとわりついた。

「さあさ、こんな服なんて脱いじまおうね」

ほら、万歳しなよ、
俺がトレーナーを脱がしてやるからよ

「自分で脱ぎます」

嫌がる恵美里に
「承諾書にサインしたんだろうが！」と
マイクに拾われないように耳元で小声で凄んだ。

「お願いします…脱がしてください…」

心なしか恵美里の声が震えていた。

『恵美里…許せ…』

わずかに脱がされるのを抵抗する姿が
なんともなく色っぽい。

これから地獄絵図が繰り広げられるのかと思うと
京塚広は悔しくて奥歯を噛み締めた。