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濡花 ~義理の父親に堕とされていく若妻~
第33章 花怜と涼華 ~序章~
孝一が帰省する日がやってきた。

「お義父さん…孝一さん迎えに行くんですよね……そろそろ出ましょうか?……」

「あぁ…そうだね……」

義父はどこかめんどくさそうに言って腰を上げていく。

「もう…実の息子なんですよ…。花怜さんを迎えに行く時は早くからそわそわするくせに…」

良子は呆れるように言う。

「わかってる…わかってる…じゃあ、花怜さん…出掛けようか…」

やはりめんどくさそうにする義父に花怜も苦笑した。

義父は約束してくれた。
マンションに戻っても月に一度は会う機会を必ず作ると…。
花怜は素直に嬉しかった。

花怜が手を振る孝一を改札口で出迎えると、三人で家へと向かった。

孝一は妻が世話になったことに対して礼を父親に述べていた。

「まぁ…花怜さんは本当にいい娘だからな…このままずっと家に居て欲しいくらいだ…だから、今度は絶対に泣かせるんじゃないぞ…」

花怜は後部座席でその義父の言葉を聞いてやはり複雑な想いだった。

【お義父さんのずっと居て欲しいって…理由が違うでしょ……】

孝一は助手席で…「わかってるよ…」と返事をした。

「おかえり…孝一……」

「ただいま…母さん…」

良子は玄関で待ち構えていたように、満面の笑みで息子を迎える。
孝一も母親の無条件な愛情に頬を綻ばせていた。

居間に4人掘炬燵のテーブルに座ると早速家族会議が始まった。
義母の淹れてくれたお茶を啜ると義父が口を開いた。

「それで?…今度は本当に間違いないんだろうな…」

単身赴任を濁したことを解っている義父がしっかりと釘を刺す。

「じゃなきゃ…ここまで来るわけないだろ…。11月から本社復帰だよ…」

花怜は驚いた。

「えっ?…1ヶ月の短縮じゃないの……」

「あぁ…本社から早く戻ってこいって言われたんだ…。この前、システム的なことは目処がつきそうだって言っただろ…後はリモートでも指導や管理はできるからな…」

花怜は義父を見た。
義父は冷静に孝一の話を聞いていた。

【どうにかなることじゃない……私は喜ばなきゃいけないのに……】

もう花怜にとって義父といることが当たり前になっていたのだと改めて思い知った。

「まぁ…期待されてるってことはいいことだからな…それで今後はどうなるんだ?…花怜さんだって準備があるんだから…」

義父がこれからのことを聞いてくれた。
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