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羊にご用心!?
第2章 ~お嬢様、躾のお時間です~
「お嬢様……」
朝日が差し込む天蓋付きのベッドの上、お嬢様はその声に応えるように小さな呻きを洩らしゆっくりと目を覚ます。
「メアリー、今日は何だか野太い声ね」
「お嬢様、何言ってるんですか? 起きてください」
パチッとリリムが目を開けるとそこには白銀のフワフワとした髪、スカイブルーの瞳が飛び込んできた。
「えっ、えっ!? な、なんでアルがここにいるの!?」
「忘れたのですか? お嬢様がワタシにお付きの執事になるよう命令したんじゃないですか」
優しげな表情でニコリ。
お嬢様は、きゅっんと胸が鳴る。
────な、なに今の。
こんなにも間近で執事のアルを見たのは初めてのこと。リリムは心拍数が上昇するとともに胸が高鳴る。
「お嬢様?」
そんなお嬢様の様子を怪訝そうに見つめるアル。
リリムはコクっと喉を鳴らし、高鳴る心を落ち着かせこの状況を冷静に対応する。
「アル、ひとつ言ってもいい」
「なんですか?」
「ナイトドレス姿は男性に見せるものじゃないわ、出て行きなさいっ!」
「いいえ、今日からお嬢様はワタシの主人ですから、全てワタシにお任せください」
本気で言ってるのか?
ああ、天然? 天然だから!?
お嬢様の動揺も虚しく、アルはリリムの身体をベッドから起こしそのまま抱きかかえた。