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ラブカルチャースクール
第17章 NEXT Level X
コポコポ…サイフォンからコーヒーの芳ばしい香りが漂う。

「あなた、お代わりは?」

「あぁ…少しくれ…。」

マサキのレッスンがあった夜以来、旦那の言葉数が増えた気がする。



あの日の翌朝…

「おはよう…琴海…大丈夫か?」

トーストにバターを塗ってた私に、挨拶以外の言葉を投げ掛けられた。

「ん…?何が?」

「あっ…昨日…湯冷めしなかったか…。」

旦那の顔が少し赤い気がして、ちょっとくすぐったくなる。

「ふふ…また湯船に浸かったから大丈夫よ…。有難う。」

「そうか…。」

照れ臭そうに、新聞を広げた。

旦那なりに、気にしてたのね…。

いつも挨拶くらいしか無かった朝が、少しずつ変わってきていた。




そして…今日はレッスンの日。

「あなた、今日は早いの?」

「分からないな…メールする。」

「分かったわ。」

別に遅かろうが、早かろうが、どちらでもいい…。

だけど、何か一言でも多く旦那と話しておきたかったの…

それは、不安からなのか…罪悪感からなのか…。

サイフォンから注いだコーヒーに沈殿するミルクを私はジッと眺めた。

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