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巡り遭い
第3章 【 Episode_02 】

「なに、これ」
それは、帰り道の市役所前の掲示板にある一枚の求人広告であった。
真っ黒な紙に、筆で書いたものなのだろうか、
白いインクで募集要項が淡々と書かれてある。
その紙の中心には、椿の絵。
血のように真っ赤な椿である。
桔梗はこの広告に焼けるような労働願望を感じた。
「ここなら、わたしの欲しかった刺激が満たされるかな…」
淡い、否、恋い焦がれるような期待の元、
桔梗は自分が持っていたメモとシャープペンで、
電話番号やら、住所やらを震える手で殴り書きした。

