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鬼の哭く沼
第7章 花は綻ぶ
ちゅう、と淫蜜を全て舐め取った唾液に塗れた指を、須王は香夜の唇に這わす。深い青赤の瞳が細められる。
「香夜…俺をお前の、中に」
情欲に掠れた低い声に、香夜はこくりと頷いて息を呑む。
緊張に強張る身体を労わるように腰を一撫でし、ぐっと膝を大きく割られた。足の間、その視界に映る雄々しく屹立した熱の塊にしとどに濡れた秘部が疼く。
(怖い……でも、須王が欲しい)
きっと、もの凄く痛いに違いない。
恐怖も、勿論ある。けれど受け入れたいと思った。熱を、何より須王の思いを。
その為の痛みなら、耐えられる気がした。
「んっ……」
火傷しそうに熱い、指とも舌とも違う硬さのものがぬるぬると蜜を纏うように入り口を擦る。数回割れ目に沿って上下した先端が、肉襞を割ってぐっと押し入ってくる。
「…っ!!」
ぐちり、と身体を裂いて潜り込む熱の質量に、香夜は目を見開いて敷布を握り締めた。みしみしと、身体を割り開く軋む音が耳に届きそうな錯覚さえ起きる、激しい痛み。
指の関節が白くなる程強く握った手に、自分の爪が食い込む痛みさえ些細なものに思える程の。
「ああ…っ、あ、やあ…!!」
少しずつ、少しずつ熱は香夜の体内に埋まっていく。その度に肉壁を焼かれるような痛みに苛まれ、香夜は漏れる悲鳴を必死に噛み殺そうとする。
涙が溢れ、視界が滲んだ。覚悟していた痛みを上回る、身体を引き裂く痛みだ。熱が、圧倒的な質量を伴って腹の内側を焼く。
「ふっ、ううー…っ!」
「く…っ、力を、抜け…香夜」
「い、あ…無理…あぁっ」
全身が硬く強張り、意志とは無関係にこれ以上の異物の侵入を拒もうとする。
泣きじゃくる香夜に進退窮まった須王はこめかみに浮いた汗を拭い、自分の指を口に含むとたっぷりと唾液を絡ませた。そして痛みに収縮した肉芽を抓み、指の腹で擦る。
「ひぃ…ん!」
びくっと腰が跳ね、ほんの一瞬だが香夜の身体から力が抜ける。その僅かな隙を見逃さず、須王はぐっと腰を深く沈めた。
「あっ、ああー…!!」