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眩惑のディナーショー
第3章 二人目の御客様…どうぞ
広い砂漠の敷地にひっそりとそびえるシャングリラ──

神殿のような石の建物には様々な国の女達が集められていた──

毎晩のように繰り広げられる妖艶な演目の宴。

美女達は裸に近い衣装を纏い酒や食事を楽しむ──

その中に一人だけ、この場に慣れず浮いている女がいた。

「もし、そんなに恐がらなくとも大丈夫ですよ」

ハッサンはそう声を掛けていた。

「あの、でもあたしは何のためにここにっ…──」

亀美は怯えながら尋ねていた。

日本旅行から帰国する際──

国から呼び寄せたアデルのプライベートジェットにいつの間にか乗せられていた亀美は着のみ気のままでこの異国に連れて来られていた──

確かデパ地下で買い物中に声を掛けられて、あまりのその人の美しさに見惚れ、街案内を頼まれて承諾した筈だった。

帰る間際に迎えの飛行機にお礼の品を詰んでいるからと飛行場の特別通路から通されて飛行機の中に──


「拐われてしまった…のかも…っ」

亀美は周りを見渡しながらそうポツリと呟いた。

「あ、亀美様。ではアデル様をよろしく御願いします」

「え!?」

驚いたまま連れて来られてそこに放置される。目の前をよく見ると、白い湯けむりの向こうに金糸の髪を纏めて結った美しいアデルが白い大理石の湯船に浸かっていた──

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