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第32章 家に帰って……

お母さんは胸の動揺をごまかすように、うちわをパタパタ仰いでつっけんどんに言葉を返します。

「汗をかいたから、着替えただけですよ」

「おいおい、せっかくお母さんにお土産を買ってきたんだから、少しは愛想よくしてくれよ」

「へえー、お義父さんが私にですか？　インランランドで？　どうせ、変なお土産じゃないんですか？　シースルーのハレンチな下着セットだったら、麗子にプレゼントして下さいな」

「まあいいから、スイカを食べたらワシの部屋へ来なさい」

「えっ、お義父さんの部屋へ？　なんですか？」


おじいちゃんの部屋に来いと言われて、お母さんはためらっている様子です。
なにしろお母さんは午前中に、勇介くんを相手にたっぷり汗を流したばかりなんですから。

「まあ、お義父さんの部屋へって？　私だけですか？　どうするつもりですか私を？　お土産って、何ですか？」

おじいちゃんの目が淫乱に輝いています。

「刺青（いれずみ）だよ。お母さんにピッタリの刺青をしてあげよう」