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幼なじみのフヒト君
第4章 カラオケで
「舞ちゃん、ぼーっとしてどうしたの?」

デンモクを持った要先輩が、わたしの隣にやってきた。

「へ?あ、いや~、先輩たちってイケメンだなぁって…」

へへへと笑いながら目の前にあるジュースに手を伸ばす。

「そ?ありがとうね。」

ニコッとする要先輩。
眩しいです。

「舞~」

「うおっ」

画面に張り付いていた咲が、抱きついてきた。

「酒クサっ」

どうやら、お酒を頼んだらしい。

―咲ったら弱い癖に飲みたがるから…。

ため息を吐きながら、咲に抱きつかれたまま立ち上がる。

「また飲んじゃったんだね~」

苦笑いしながら、要先輩も立ち上がった。

いつもこうやって咲をトイレに連れていき酔いを醒まさせるのが、わたしの役割だったりする。

それを知っている要先輩は、一緒に行こうとしてくれた。

「あ、大丈夫ですよ?」

わたしは断るのだが、要先輩は優しく微笑んで首をふる。

「いっつも舞ちゃんがやっているからね。せめてトイレまで咲を運ぶよ。」

と言いながら、咲を受け取った。

「ん~」

咲は、分かっているのか、いないのか要先輩の首に腕を回し抱きついていた。
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