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愛してるなんていらない
第9章 過去

「今日は咲をずっとギュッてして寝たい。明日土曜日だし、ゆっくりできるだろ?」

「..しないの?」

ドライヤーで髪を乾かしながら創を振り返った。

「うん。今日はしたくない。」

「....」

「したかった?」

ニヤッと笑う創を睨みつけ、バカ、と返す。

乾かし終えて 携帯を開くとメールが一件来ていた。

ー友達大丈夫だった?返信はいらないから。また飯行こう。ー

きっと昨日までなら胸が踊った初メールも、今は罪悪感に埋もれていた。

(距離、おかないと..このままだとダメだ..)

しかしその気持ちとは裏腹に、ベッドで大の字に寝転がる創を振り返って、私はメールを打つ。

ー大丈夫でした。また楽しみにしています。ー

送信完了の文字を確認して私は電源を切った。

「創、寝よっか。」

「うん。」

創の隣に潜り込むと、引き寄せられる。

胸に耳を当て鼓動を感じる。

どうすればいいのか分からなくて、そのままずっと鼓動だけを聞いていた。

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