この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
海鳴り
第10章 高波
ドアを閉めて靴を脱ぎ散らしバッグを手放した時、肩がガクガクと震えだし胸が詰まるような苦しさに襲われた。

明かりも点けずに部屋でペタンと座り込みベッドに頬を乗せると、声にならない呻きが喉の奥で繰り返される。


叫びたい


両手で胸を押さえ必死に声を出した。


「…ウッウッウッ…っかずおさん…ウクッ、…かずお、さん…、和男さん…和男さん和男さん…、うぅっ…ぃや、いやっ…ンぐっ……いゃッ……」


涙が溢れる。


「傍にいてよ…ウグッ…ウッウッウ…」



恋が終わった時ってこんなに辛かったっけ…

こんなに苦しかったっけ…


とめどなく溢れる涙と鼻水で顔を濡らし、目も鼻も真っ赤にしながら律子は泣き続けた。

手洗いに行っては泣き、相沢が修理した床を撫で、インターホンを眺め、スニーカーを抱き締めて泣いた。

どれだけ泣いても涙は渇れない。

泣き疲れてぼんやり貝殻を見つめると、興和丸で帰還した相沢の姿を思い出してまた嗚咽する。




和男さん…




/221ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ